History of S-mix

S-mix NEVE1272 D.O.I


NEVE1272 type

テクニカル情報と内容が重複しますがこれを作った時はある方から「1272が16個あるけど」
と連絡があり非常に興味深いのでD.O.I氏や知り合いに連絡をとり購入してもらいました。
今から考えると1モジュール1万円の経費を計上すればそれだけで16万円になったのですが
なぜか直接取引をしてもらいました。16個全ての写真を写して内部パーツを確認してから
組立に入りました。マリンエアのトランスは特に位相特性をチェックしたのですが当時は
それほど良い測定環境ではなかったのであまり大した事は出来ませんでした。とにかく重量
があるのでリードの丈夫なケースを使いパネルは3mm厚なので外部に板金をお願いしまし
ました。Direct Outを使った場合のクロストークの悪さはどうやっても改善できませんでし
たが納品したS-mixを使ったD氏から連絡があり「今回のMixは自宅だけでやりました。」と
アメリカにマスタリングに送ったら伝説のT氏から「お前の家にはいつOld NEVEが入った
のだ!」と連絡が入ったそうでとても感謝され「安すぎるので」と追加のお礼まで頂きまし
たこの頃は私もやる気に満ちあふれていた頃です。その後依頼された物もあるのですが全然
やる気が無く「中村さんなにが足らないのですか部品代がないなら振り込みますよ。」と言
われても「いやーやる気が無いんだよ。」と答える私に「やる気は振り込めないですねー」
と力無く言ったのを良く覚えています。

「33609の銀ノブ持ってますよね!」と連絡があり3年ぶりにゆっくりと話す機会がありました。
とにかく耳が良いのに驚きましたが、今私がやろうとしている事を彼は違うアプローチでやる
と音作りに前向きな姿勢が一番印象に残った楽しいひと時でした。機材を買った人が冗談で言
う事に「これはD氏の所には最後に持って行ってくださいね。」というのがあります。私が今
お手伝いできることはあまり無いなと思いましたが実は隠し玉が一つあります。これを必要と
するのはもう少し先でそれこそ最後に持っていくつもりです。


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