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NEVE83010 基板に関して
内部には手を付けない事を条件に請け負った仕事ですが動作確認をしているとやはり内部に手を付けない
訳には行かなくなりますので今回は追加予算を決めてその中で出来るだけの事を行いました。

VシリーズのNEVEと言えばもちろんコンデンサーの交換です。
一番上が音が悪いと言われている松下電気製で下二つが今回のNEVEについて
いた物です。非常に綺麗なモジュールでしたがすでに数箇所コンデンサーが交換
されていて純正のフィリップスがついてましたがそれも容量抜けしていました。
上から2番目が当社で使っている日ケミ製のコンデンサーです。別にオーディオ用
という訳ではなく汎用の電源用です。もっと良いのがあるのですがその会社は
倒産してしまったそうですそれも汎用の電源用のコンデンサーですが手元に
少し残っていますが非常に良い音を伝えてくれます。


オーディオ信号の通るコンデンサーを交換します。半田の吸い取りを上手にしないとパターンがすぐ
にはがれますV1をみるとやたらとパターンが切れてビニール線で直してあるのが目につきます。
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NEVEの位相SWは位相反転回路を通す事により行っておりますがその間に上記のコンデンサーが
沢山入っております、位相SWを入れた時のレベル差はコンデンサーの容量抜けです。
折角ゲインがアッテネタータイプなのにこんな事でレベルが変わってしますのは勿体ない事です。

V1の下側のBUSSアウトSWやPANのVR等は交換してもすぐに駄目になりますがNEVE独特の
スターアースに原因があるような気がします。


今回HA部分の故障は右の写真の右向き矢印のICが壊れていたためにLINE側に切り替えられない。
LINE回路が片側異様にゲインが無い→上向き矢印のジャンパーが左側の写真には無い、これを
付けたら簡単に直りましたがそれに気づくのにとても時間がかかりました、これを売った人は使って
いたのだろうか?と疑問をもちました。

左向きの矢印の金属ケースはリレーでマイクinのATTです。ゲインSWの回路数を減らすために
使われています。耳を傾けてMICゲインを替えていくとカッチと音がするのが解ります。
その上の金属ケースはトランスです。

他にもsoloのLEDがつきっ放しになる現象とか色々ありましたがなんとか実用域まで到達したので
後の修理は止めました。


モジュールのボディに付いているラインin用トランスです。
このモジュールの実装を請け負ったのは他にも理由があります。V1のHAとイコライザー部分を2ch分
ラックタイプで作ってくださいと言う注文がありそれの予行演習と思ってやったのですが結構勉強に
なりました。

インプットトランスに関して
今回のモジュールもVシリーズもインプットトランスは同じ物がついています。このトランスはとにかく派手
な音が取れます。特にエレキギター等は最高に硬い音で録音できます。また今回はラインinにもトランス
が付いているのがうらやましかったです。私のV1はラインにはついていません。またこのトランスはとに
かく分解能が高いというか音の定位をしっかりとしてくれます。AUXinが付いたV1等はデジタルリバーブ
等を受けると大げさな言い方かもしれませんがREV7がレキシコンの480みたいな音になります。
残念な事にこの会社も現在は無いそうです


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