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Altec 1674 type S-mix

オークション等によく出品されているAltecの8chミキサーの基板です。いつかは購入して調べて見たいと
思っていましたが、修理と改造をお願いしたいと依頼を頂き深く考えずに引き受けました。
依頼の内容としては「レベル可変、パネルは極力オリジナルを活かして欲しい。《
ということでしたが中を空けてびっくりXLRコネクターの取り付けだけでも大変、更に黒いノブは押し込み
タイプなので他のスイッチをつけた場合はイモネジの入るように加工が必要な事に気がつきました。
とりあえず中身の2ch分だけでも電源トランスを積み替えて何とかする事で話がまとまりました。
若いエンジニアが給料をもらうと分割でお金を払うということでお互いの信頼がなければ受ける
事はできないと思います。
色々やったのですが、オリジナルケースは使いにくいのでとりあえず毎度おなじみのエヌトッシュケースで
やってみました。予算は少ないとは言え、Altecオリジナルに二種類のOPアンプを積んで音のカラーが変わる
ようにして、ついでにS-mix toyも内蔵させました。


上記がマイクアンプ部で基板の左半分がこの回路です、もともとが会議用のものらしくALCに重点が
置かれているように思います。またトランスをはずすだけでもパターンがはげやすく要注意です。
回路は非常にシンプルでファンタムは18V、FETの定電流回路で供給されます。
トランスの重量は44gコイル部分は24gでインピーダンスよりも直流抵抗が気になります。
そのため抵抗で25db程度のパットを入れその状態で使えるようにアンプのゲインを高く
することにしました。オリジナルは5534の位相補償のコンデンサーが付いていません。


左側がLedレベルメーターとアンプ部で右側のスイッチがHAとS-mixの切り替えに使い
その右は中央に並んだOPアンプを切り替えてAltecオリジナルと色付けタイプの選択に
しています。ケース奥がマイク入力と出力、ファントム抵抗もここについています。
その右側8個のXLRがS-mixのインプットでパッシブミキサーの抵抗です。
Altecオリジナルの音を聞く前に解体したのでなんとも言えませんが十分録音に使える
性能はでていると思いますがマイクを結構選ぶかもしれません。今後依頼者の意見を
聞いて残りのトランスをどうするか考えてみたいです。
予算が沢山あればなんでもできますが限られた予算の中とは言え、長くお待たせしたので
しっかりと作ってみました。
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