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NEVE EV10852 1SS1
2007.10.10





NEVEコンソールの最終アウトに付いている基板です。オプションとなっているので全ての
NEVEに付いている訳ではありません。左側の写真が一番最初のバージョンらしく右の写真
は1SS4と書いてあります。このタイプはNEVEコンソールのマニュアルに配線図が出ている
ので皆様よくご存知と思いますが右側はパワーデバイスが三個付いていて明らかに回路が
違います。これはひょっとしてFETではなくトランジスタなのか?NEVEも迷ったのか?と一
瞬大喜びしたのですがどうやらFET見たいです。




今回最終段だけ配線図を作ってみましたので参考になればと思います。パワーデバイスが
一つ多いのはマイナス側が並列になっているからでした。またこの配線図には書いてあり
ませんがスターアースの抵抗が現在のものより複雑になっています。他にも電源ラインの
47オームの抵抗はコネクター部分に追加で付け、アウトトランスの二次側の抵抗とコンデ
ンサーはこの基板には付いていません。



左が1で右が1SS4で基板に始めから付いています

配線図を作る為に部品をはずしてみました。

両面のプリント基板だとやはり部品をはずすのが一番です。縦型の抵抗の場合抵抗値も見やすく
なります。使う部分によって抵抗を使い分けているのが良くわかります。単品オーディオと違っ
て量産品ですから基本的にはコストとの戦いで部品を選別していると思います。ここで使ってい
るトライダルトランスも非常に面白いもので私の場合はEX10766で紹介していますがトランジスタ
のバッファーを付けて音を確認したところ、ちょっとワイルドな魅力のある音で現在依頼されて
いるS-mixにそちらも入れる事はできないでしょうか?とも言われています。



マリンエアなどに比べて基本的には昇圧率を少なくして使うトランスみたいで電源電圧をオールド
NEVEの倊にして使っているのが非常に面白いと思っています。

バランスアウトに関して
最近やたらとバランスアウトで出来ないでしょうか?とのご質問をいただきます。この10852も
トランスはオプションで基本はアンバラアウトです。このクラスの物で依頼してくださればいく
らでもお作りしますが結局は予算がないのであきらめていただく事が多いです。ドライブ能力の
ないバランスアウトでしたらしっかりしたアンバラアウトで十分と私は思っています。電子式の
バランスアウトは無意識にマイナス側をショートして接続する事も多く、機材は痛むし、音は悪
くなります。ただ、インプットだけはバランスインをお勧めします。

予算がなければバランスイン、アンバラアウトこれがエヌトッシュの基本です。


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