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MEROTOLONの修理
2007.10.9
オバーハイム友の会の会長から昨年の暮れにオバーハイム4ボイスのモジュールとmerotolonを
頂戴いたしました。(私は副会長です)いかんせん邪魔なので知り合いに電話を入れて「S-mi
x買うとメロトロンをサービスします」とか、「メロトロンもらってくれない?」とか聞いたの
ですが誰ももらってくれませんでした。
長いこと放置していたのですがある日電源を入れてとにかく音を出して見ました。
電源プラグ修理、ガリのVRの交換など電気関係の修理を一応やってメカ関係の
チェックとなったのですががとにかく鍵盤の状態が非常に悪く鍵盤がもどらない選
んだトラックの音が出ないなど色々です。ここは元ピアノ調律師の腕の見せ所とば
かりに鍵盤をはずしてキー整調となりました。
鍵盤の裏にはピンチローラーとフェルトがついていますので傷を付けない様に最新の注意
を払ってとりはずします。上の右側の写真のようにブッシングクロスに黒鉛を塗ります。
もちろんおさについているピンも磨きます。特に根元の部分は丁寧に磨いてゴミを落とし
ます。その後で鍵盤整調を行います。下の写真が専用の工具「鍵盤殺し」です。
左側がアップライトピアノや工場で使う物で右側が出先で使う物です。グランドピアノの場合
はアクションがはずしてないと鍵盤を抜く事が出来ませんので緊急時には鍵盤押さえだけはず
して鍵盤を浮かして手前から左右どちらでも調節できます。殺すと言う意味は布の厚みを調整
してガタを一定にする事を言います。ちなみにこの工具購入したときにはまったく使い物にな
らなく左側の工具は厚みがありすぎて鍵盤の穴に入りませんでしたのでグラインダーで削って
あります。ただ浜松の小僧時代に安物でなく高いものを購入しましたので長持ちしています。
右側の物も購入時はまったく使い物ならない仕上がりでこれを使って調整する鍵盤の大きさは
少なくともの倍の大きさを必要とするようなものでまったくひどいものでした。もちろん、ロ
ーズの調整にも大活躍した工具です。アクションが簡単なだけに鍵盤整調は音にもろに影響が
ありました。いずれにせよミュートロンは色々工夫されていて面白いものです。
おさごと鍵盤をはずしてみて久しぶりにピアノ屋時代を思い出し。ピアノの材料は鍵盤とア
クション以外は柾目だと言われた事を思い出しました。
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