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SIEMENS ela 75-06EQ
2008.3.23



どんな形でもかまわないので電源付けて使えるようにしてくださいと持ち込まれましたが片チャンネルが動作不良で
内部はPNPトランジスターが主体で修理に時間をとられオリジナルパーツの入手に非常に時間がかかり苦労した機種
です。予算的には弁当箱タイプなのですが修理に時間がかかったのですっかり愛着が沸きどうせなら1Uに組む事に
しました。最初は二個横に並べてコの字型のシャーシでなんとかするつもりでしたがどうやっても幅が足りません。



本体の厚みは40mmなのでケースから出して組み込む事にして横幅を狭める事にしましたが結構大変でした。
エヌトッシュで使っているケースに横に二枚並べるには上の写真のサイズが限界です。



パネル右の縦穴はスライドスイッチですがトグルスイッチに変更する事によりナットで閉めるのでパネルの
押さえに使い左側にも裏からネジを付けるつもりでしたがノブツマミがテフロンワッシャーで付けてあるため
このトグルスイッチのネジだけで持たせています。(このスイッチは動作には一切関係が有りません)






組み込んだ時点で動作試験をしているところです。オリジナルのアンフェノールコネクターは取り外して全て
直結にしてあります。ただオリジナルのユニットケースに戻せなくなる様な改造は行っていません。
緑の基板の左下に板バネがついていますが一番上の写真に写っているべーク板で挟まれたシールド
板と接触するようになっています。モジュールを縦に置いた時に左右にシールド板がついてさらに金属のユニット
ケース、蓋と二重シールドとなっておりすばらしい作りとなっています。電源トランスを同じケースに入れてはたして
問題は生じないかと不安が出てきましたがなんとかするしかないと思い加工を続行して組み込んでみました。

アンフェノールのコネクターがついていた部分(左上部分)にダブルのアースラグを使って配線をまとめました。
また、使っていないスイッチを使ってリレーでバイパス回路を組み込んであります。この配置で不思議な事に
左側のモジュールの方がトランスのリーケンジを多く受けていました。簡単なシールド板を作って電源トランスを
囲ってみたところ若干ハムはへるのですがちょっと物足りません。そこでオリジナルのベーク板に挟まれた板を
取り付けた所、いとも簡単に左右のハムレベルが下がりインプットオープンの状態で-80db以下まで下がり、
電源トランスのシールドを追加してもまったく関係なくなりました。オリジナルの設計の素晴らしさを感じます。

電気回路の加工よりももっぱら板金加工が主体ですが非常に面白い作業でした。
消費電流は片側で約0.1A程度です。

気になる音と使い勝手ですが、難しいEQです。私ごときに使いこなせる物ではなくこれを使いこなせるのは
ベテランエンジニアだろうなーと思わせる物です。いずれにせよこの回路は非常におもしろいのでスペアパーツ
を入手してありますので後日じっくり組み立ててみたいと思います。NF回路にコイルが入るってのは初めてです。


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