History of S-mix
S-mix typeI
基本ブロック図
Protoolsをアナログでミックスすると音が良いと言う話を聞くようになりだんだん創作意欲が
沸いてきてモニター機能が充実した大きなコンソールの縮小版みたいな物を作ってみたくなり
ました。ミキサーを作るということは過去にも色々考えましたが、結局は小型で信頼性の高い
パーツを探すのが大変で躊躇したものです。マイクアンプ等の商品化でケース等の板金や小型
パーツ取り扱い商社とのやりとりのノウハウもある程度つかんだので思い切って設計してみま
したが特殊パーツが多く受注分を納品するまでだいぶ時間がかかってしまいましたが、予定数
以上の受注があり特殊パーツの発注が可能となり実現しました。入手に苦労したパーツは
丸ナット
や二重軸のツマミ、大きなトグルの微少電流用中立付きスイッチ、HP用のトラッキングエラー
の少ない小型二連VR等です。BUSSアサイン部分等はスイッチに抵抗を直接半田付けしたのでそ
の部分だけでも最初は二時間ほどかかる有様でした。その後改良してから修理や調整で持ち込
まれる度にアサインSW部分は無料で交換しました。当時基本タイプで50万でした。
このパネルの物はその後ミックス部分にNEVEやQ/eightタイプなどで20台ほど作りました。
アサインSWの写真です最初の数台は端子に半田付けでしたがラッピング用のSWに変更して基板
の隙間に抵抗を押し込みました作業効率も上がりますがSWを基板につける事によりネジ締め時
に取り付け角度を気にしなくても横一列に綺麗に並びなにより配線ミスが少なくなります。
最近のtype6に比べて非常にすっきりとした内部ですが、初めて商品化した
ミキサーですのでS/N等とても心配でしたが十分な性能でした。一番苦労した
のはHPアンプのハムでCUEとMIXのバランスを変える為に4連VRを使うことに
なったり、NS-10Mが鳴らせる位のICを使ったので結構電流が流れ当然ハムの
原因になり苦労しました。マスター部分に照光式のスイッチを使いモニター
VRにはクリック式を使ったので「とても使いやすい」と喜んで頂けました。
裏パネルで解ると思いますがTRS兼用のインプットで1-8chは+4db固定の他に
ゲイン可変で15db程ゲインを持たせました。またモニター関係は大型コンソ
ール同等のスイッチ、クリック付きVRを使いましたが評判は良かったです。
モニターセレクタ部分のEXT1と2は通常のラインアンプと同じ部品と回路で
したので、オプションとしてサミングアンプに行くように改造したりモニタ
ーセレクトスイッチに時定数を持たせミックスモニター時にもEXT1に接続し
た機材を同時に聞く事ができる物もあります。もちろん外部トークバックス
イッチ用のコネクターも付いています。
参考にパネルの寸法図です。
TRS兼用のXLRを使った2ch用のLINEアンプのパターンです。
インプット部分の抵抗2本の取り付けを変えると逆相でも
使えるようにした為非常に便利でS-mix以外でも使いました。
とにかくミキサーは内部で反転回路をつかいますが入出力は
同相というのが基本ですからその辺も頭をつかいました。
裏パネルですがある人のリクエストでラジカセ用のRCA端子
をつけてくれと言われケースの作り変えになりました。
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