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東日本大震災の救援物資



5月末に仙台のサウンドリソーススタジオに救援物資としてS-mixを貸し
出す事になっていましたが出荷直前に電話があり「今回送られてくるS-
mixはD氏の音は作れるのでしょうか?」との事でした。
聞けば「来週から始まるミックスの仕事の打ち合わせがありお客さんが
持ってきたCDがめちゃくちゃ良いサウンドでどうがんばっても雰囲気
は似るのだが本質に違いがありでさすがにS-mixtoyでは無理です。
エンジニアはD氏の名前ががクレジットされていました。」との事で「
今回送るのは無理だよ。」と答えたら「なんとかならないでしょうか?」
との事でモニター機能は無いけどそれどもよければ送ります。」と言う
ことで送ったのがNEVE V−1タイプの機種です。
お客さんも大満足でよい仕事が出来たと後日連絡がありました。
特にセンターに定位するものを単独で出してアナログでモノに定位する
とものすごい良いサウンドになるとの事でした。

地震からすでに数ヶ月が経過しました。
東北地方には親類知人がすくなく津波で別荘が流され人と仙台のサウン
ドリソーススタジオからの情報だけでした私の作った機材の感想を細か
く教えて下さるのですが的確な表現の裏に機材を十分使いこなす実力を
感じさせてくれます。そんな彼から昨年の秋頃に「出世払いでモニター
セレクターとS-mixをなんとかしてもらえませんか?」とのお願いがあり
ました。手持ちパーツで出来る範囲で考えS-mix typeIを作り始めていた
のですが私の個人的な事情で納期が大幅に伸びていました。
そんな矢先、地震が発生スタジオの被害は少なかったのですがガスが一
ヶ月使えなかった事、断水、ボランティアでガレキ撤去に海岸に行ったら
夕方地震があり慌てて山の方に逃げた話など貴重な体験をお聞きすること
が出来ました。彼とはもう長い付き合いになりお互いの貧乏自慢にはすご
い物があります。ガレージメーカーを立ち上げた時に彼に数台貸し出した
時に「全部買います」と言ってくれた事をいまでも思い出します。救援物
資としてS-mixがありますのでミックス作業がある場合は是非仙台のサウン
ドリソーススタジオをご利用ください。もちろんミックス以外でも大丈夫です。

その後
昨年の暮れに一度調整に戻ってきましたせっかくなので音をさらにグレード
アップして送り返し大満足で使っていただいています。自宅で全てをこなす
作家の方がボーカルの録音に来て、他のオケ部分もS-mixに通して持って帰る
そうです。

History of S-mix