n-tosch top
普通のVRを基板に付ける
2006.9.19
S-mixは1〜8chインプットがTRSも使えるコネクターを使っていますが基本的に他の機材の2インプットの基板を
流用してバランスインとゲイントリムのアンプを搭載しています。その為ためにゲイントリムを使うと表パネルから
裏パネルにいったん信号が戻る事になります。以前から気にかかっていたのですが良いVRが見つからず困って
いました。また最近は色々な機能を求めるお客さんが多いので裏パネルの実装密度を上げるためにも、ゲイン
トリム基板を別に付ける必要が出てきました。そこでS-mixのタイプVIを作るため今回普通のVRを無理やり基板に
付けることにしました。
左の写真はRSコンポーネンツで購入したものですが垂直基板用の為このままパネルに付けると高密度
実装ができません。右側は東京コスモスの16型ですがSW付には基板用がありません。右の写真の左側
みたいな端子をVR用に付けられないかと打診はしているのですが強度の問題との事であまり良い返事が
頂けません。しかたがないので無理やり付ける事にしました。クラロのVRも検討しましたが値段があまりに
高く2個の値段で最近の8インの小型ミキサーが買えます。もっとも東京コスモスのVRも8個使うと16インの
ミキサーが買える値段はします。
基板にVR用の穴を開けるのですが1mmの太さで0.8mm間隔でセンター用が3個はじが4個あけます。
後ろ側の穴はSWの線が入る穴でこれはリード線でVRをつなぎます。
適当に並べて半田を付けると位置が狂いますのでVRのスイッチの端子に線を付けて基板に仮付けしておきます。
4個または8個付けた時点でパネルに取り付けて基板の裏の足の出具合を確認します。左右の端子がバランス良く
出てる状態で半田付けします。S-mixを作るときにこのVR関係の配線が非常に面倒でしたがこの方法で少し楽に
なりました。
組み込んである回路は位相を反転させない為に非反転入力になっており安定度の点で非常に厳しいです。
3.3Kを10Kにすると入力をあげて行くと不安定になり発振します。ただ、電源のバイパスコンデンサーをOP
アンプごとに付けてやると非常に安定しますが5.1K程度が実用範囲かも知れません。
このVR連動式のSWの切り替え方式で気に入っているところはこの回路をバイパスするときはVRのタップがグランドに落ちる
のでOPアンプの入力が0になり、前段に対して影響が出ない事です。。
スペースの関係から4個タイプはコンデンサーを寝かせないとAUXセンドのVRとアサインスイッチの
隙間に入りません。もう少し手ごろなパーツを使ってコストを下げたいところですがこのVRとアサインSWは
重要なところですので定番となっていますがAカーブスイッチ付きはメーカーの標準在庫でないため常に予測
して注文をしている状態です。
2010年8月追記
リーマンショック等で不景気になりメーカーの技術の人間が営業を手伝い始めました。
そのときにノブを探していて当社のHPを見て驚いて電話してくださいました。8連VRや
この普通のVRを基板につけていると聞いてメーカーも重い腰を上げて作ってくれる事に
なりました。写真の軸の長いのが見本です。SW無しのタイプでは基板用がありRSでも昨年
から扱い始めました。ところがいざ注文したところやはり作る事は出来ませんと言われ
結局入手は不可能になりました。
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